◎環椎破裂骨折< ジェファーソン骨折 >

  ◇発生機序

  環椎とは7つある頚椎の1番上の骨のことで、頭蓋骨を支えています。

ジェファーソン骨折は頭部から頚椎軸方向への軸圧が働いて発生します。前弓、後弓それぞれの外側塊に近い抵抗の弱い４ヶ所で骨折を起こします。

骨片は主に側塊が左右方向に転位し、開口位のX線像では作用の側塊が、外側に転位してみえます。CT像によって骨折の詳細が分かりますが、片側の前後での骨折や3ヵ所での骨折もみられます。後弓のみの2ヶ所で骨折しているものは後弓骨折に分類されます。

脊柱管は拡張するので、脊髄損傷の合併は少ないです。

◇症状

後頭部痛、頚部痛、頚椎の可動域制限など

◇治療

一般的に脊椎の安定性が保持されているものに対して医科では、牽引と安静臥床などの保存療法を行い治療を目指しますが、環軸関節に明らかな不安定性を残すものは観血的(手術)に固定術を行います。

また、二次的に環軸関節に頑固か疼痛を伴う変形性関節症を残すものがみられ、これらにも観血的固定術を行います。